ダレス国際空港のコンクリート

この原稿は東京大学の清家剛先生に依るPCSA広報誌(2001年22号)にご執筆頂いた原稿を当時のまま掲載しております。所属・肩書き等も当時のままです。

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻 助教授・博士(工学)

清家 剛

みなさん、「ダイハード」という映画をご存じだろうか。ブルース・ウィリス演じる主人公ジョン・マクレーン刑事がロサンゼルスにある超高層ビルのなかで暴れ回り、テロリストを撃退するというアクション映画である。その「ダイハード」の続編「ダイハード2」の舞台となったのが、ワシントンDCにあるダレス国際空港である。1990年公開の「ダイハード2」では、テロリストが空港の管制圏を占拠して、上空の飛行機内の乗客を人質とするが、空港内の様々なところをマクレーン刑事が駆け回り、事件を解決するという話である。この空港は実在しており、撮影に実物は使われていないが、私の大好きな建物の一つなので、とても懐かしく思った。

 

1988年の初めてのアメリカ旅行で、私はボストンからワシントンへ向かった。ワシントンにはダレス国際空港とワシントン空港という二つの空港があり、ワシントン空港の方がはるかに市内に近く便利である。にもかかわらず、旅行社のカウンターで時刻表を調べて、1日に1便しかないボストン発のダレス空港着の便をわざわざ使って、サーリネンの設計したこの空港へ立ち寄ったのである。

 

エーロ・サーリネン(1910ー1961)は、フィンランド生まれでアメリカで活躍した建築家である。ニューヨークのTWA空港ターミナルのコンクリートによる曲線を使った建物や、セントルイスの観光名所である巨大なアーチ、ジェファーソン記念碑の設計者でもある。優美な曲面を巧みに、ダイナミックに使いこなす、私の好きな建築家の一人である。[続きを読む]

 
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