マルイト難波ビル

マルイト難波ビルの正面
●所在地
大阪府大阪市浪速区湊町1-2-3
●竣工時期
2009年6月
●規模
延床面積/123,194.04m²
地下1階/地上31階/塔屋2階
高さ/144.00m
●PC仕上げ・仕様
タイル打ち込み、吹付塗装
●設計・監理
鹿島建設株式会社 建築設計本部・関西支店
下からのマルイト難波ビル

マルイト難波ビルは、大阪難波の西へ向う都市化の流れの象徴である湊町開発地区に商業、オフィス、ホテル(ホテルモントレグラスミア大阪)で構成された複合建築である。地上144mのシルエットは市街を南北に走る四ツ橋筋のアイストップとなり、ミナミの新たなスカイラインを形成している。

地下の商業施設を貫通する通路はJR難波駅、地下鉄四ツ橋駅と直結し、地下街の新たなネットワークを形成すると同時に、地域の活性化に寄与するものとなっている。

外観は大きく3つの要素で構成される。一つめはガラスカーテンウォールと黒花崗岩による低層階部分、二つめは押出成形セメント板縦ルーバーによるアクセント部分、三つめはそれらを基壇とした上部のPCの繊細なダブルラインのグリッドに覆われた中層、高層階部分。

中層、高層階部分は平面が約80M×50M、高さ120Mの大きなボリュームになるが、PCのダブルラインは、建物全体に軽快な表情を与え、周囲に与えるインパクトを軽減している。PCリブの間は暗色タイルとすることでリブの細さを強調した。

24階から上部のセットバックした部分はホテルの客室階になる。消防の避難条例により外部バルコニーをとる必要から壁面が後退しているが、PCリブは下のフロアから垂直に通している。

そのためPCリブが壁面から独立し、またこの部分のPCリブの間をヴォイドにすることでさらに繊細さを際立たせた。PCの持つ質感とリブの作り出す繊細かつシャープな陰影が建物全体に品位を与えている。

その他、7階から23階までの外壁面開口部の合理化を図るため、サッシは縦方立のみアルミを使用し、上下枠はガラス溝を施したPCを直接利用した。一つの開口部は左右の柱パネル、上下の梁パネルの4つのパネルによって構成される。柱パネルは躯体打込、梁パネルは金属ファスナーにて取付。開口寸法は最大で7,775×1,845。精度の高い製作管理、施工管理により誤差を許容範囲内に保つことで実現可能となった。

鹿島建設株式会社 建築設計本部
建築設計宿泊統括グループ
三村 賢太郎

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