サピアタワー

下から見たサピアタワー
●所在地
東京都千代田区丸の内1-7-12
●竣工時期
2007年4月
●規模
延床面積/78,278.88m²
地下4階/地上35階
高さ/166.1m
●PC仕上げ・仕様
花崗岩JP仕上げ
●設計・監理
東日本旅客鉄道株式会社 東京工事事務所
東日本旅客鉄道株式会社 東京電気システム開発工事事務所
株式会社 ジェイアール東日本建築設計事務所
サピアタワーの正面

東京駅の日本橋口に位置する「サピアタワー」は「R&E(Research&Educationセンター)というコンセプトのもと建設された。この名称は、sapience(知恵)に場所を表す接尾語(-ia)を付し、あらゆる知が交流する場所を表現している。建物としては、オフィス、ホテル、コンファレンスの3つの機能から構成されており、オフィス低層部には、Sapia Towerにふさわしく、全国の主な大学等教育機関のサテライトオフィスを集約するなど、その支援機能として会議・交流・宿泊機能を建物内に備えることで、高度で実用的な情報を発信・提供する場として、東京駅全体のポテンシャルを更に高めるものとして計画された。

外装のデザインは、隣接する赤レンガ駅舎の外装において、スケール感とアクセントを建物全体に与えている帯状の隅石(corner stone)をコーナーデザインに取り入れることで、相互に呼応する関係を意識した表現としている。低層部(4F~6F)コンファレンス階のコーナー部は植栽バルコニーを配し彫の深い陰影によりタワーの足元や駅前広場を中心とした公共空間にスケール感を与え、中層部オフィス階(7F~26F)コーナー部では、開口部を防音合わせガラスの複層仕様としたユニタイズCW、スパンドレル部分を花崗岩(t=30mm、JP仕上げ)の打ち込みPC板を採用。高層部(27F~34F)のホテル階においても、コーナー部の水平ラインを強調した全面ユニタイズCWとし、低層・中層・上層部の各機能・連続性を意識したデザインとした。また、上層部へと導く外装面の柱型は、シャープで存在感のある凹凸表現とするため花崗岩打ち込みPC板を採用、建物を構成する要素で最も強調させた表現としている。このように建物を構成する要素にヒエラルキーや適度なスケール感を与える試みは、近年ガラスを中心として形成される無機的な都市景観に対して特徴ある外装を構成すると共に、東京駅のDNAを継承した新たな景観の創出をめざしたものである。

株式会社 ジェイアール東日本建築設計事務所
星野 幸次

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