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川崎重工業兵庫工場は鉄道車両の生産拠点として1906年(明治39年)に工場を開設以来、2006年に100年目を迎え、川崎車輌時代を経て、現、車両カンパニーとしての、100周年記念事業として本建物は建設された。海外向け大型案件等の受注増加による要員の急増による執務スペースの確保、旧来、工場内に分散していた設計部門の事務所の集約化を図るべく、設計部門を中心に営業、資材、管理部門を集結した、車両カンパニーの中核施設の役割を担う。
建物の基本コンセプトとしては、①車両カンパニーのシンボルとなる外観の創出、②総合事務所にふさわしいインテリジェントビル、③確実なセキュリティの実現、④働きやすいオフィス環境、⑤省エネルギーに十分配慮した施設、としている。
外観は、100周年を迎え、更なる未来への車両カンパニーの「上昇感」「先端性」「現代性」をイメージし、モノトーン配色による垂直性を強調したデザインとした。熱線反射ガラスによる縦連窓と、彫りの深い垂直リブ形状のデザインのフルユニットPC版による構成で、垂直リブ形状を際立たせるデザインとしている。PC版には光触媒による自浄効果のある磁器質タイルと開口部サッシュを工場打ち込みとした。開口部は極力サッシュレス化を目指し、縦方向はサッシュレスとし、PCに溝を設けガラスを飲み込む形状とした。横方向は階高ごとに自然換気システムを組み込んだサッシュとしている。工場でガラスの取り付けまで行い、現場での作業を極力低減するフルユニットカーテンウォールとした。
1スパン2ユニットの構成で、ユニット中央には奥行きのある細長比の大きいタイル打ち込みのリブ形状のPCが低層部から最頂部まで独立したデザインとなっているが、裏面にはそれら垂直リブ材を横につなぐPCが存在し、その横つなぎのPCを隠すようにガラスで覆っており、PCによる構成だからこそ成し得たデザインとなっている。
鹿島建設株式会社 関西支店 建築設計部
笠原 恒孝