大成札幌ビル

大成札幌ビルの正面
●所在地
北海道札幌市中央区南1条西1-4
●竣工時期
2006年6月
●規模
延べ面積/6,970.38m²
地下1階/地上8階
高さ/34.575m
●PC仕上げ・仕様
コンクリート化粧打放し
(外断熱t=100)の上超疎水性塗料
●設計
大成建設株式会社一級建築士事務所

大成建設では、環境に特に配慮したトップランナー建築「スーパーエコビル(Super ecological building)」の建設を推進してきた。「大成札幌ビル」はその適用第1号プロジェクトである。

当ビルは札幌市中心部、南一条通りに面した商業地域にある。外周に連立するコンクリート打放しの壁は、構造架構をあらわしており、ファサードデザインの基本構成としている。外殻にストラクチュアをそのまま表現することで、街並みに対して建築のもつ不変的な強さと美しさを表現することを狙った。外壁の仕上げは構造体であるコンクリートを素直に表現するためにも、化粧打放しを採用した。PCa板に外断熱100mmを施し、魅せるコンクリート打放し仕上げとするためにも、綿密な打合せが何度も行われ厳しい品質管理のもとに実現している。シャープなスリット状の開口部は必要最小限にしぼり、厳しい自然から身を守る。外光を制御し、落ち着いた執務環境を得るとともに、熱損失を大幅に防ぐ。内側にはトップライトをもった開放的な吹き抜け(エコボイド)がある。天空からの光がオフィスの隅々まであふれ、風が心地よく流れる。オフィスは外周をめぐる壁柱で囲まれた大空間。柱らしきものは無い。一体の内部空間においても打放しコンクリートの構造躯体をすべて見せた。

構造体には、きわめて高い制震性能と長寿命の新しい建築架構システム「TASMO(タスモ)」を開発した。地震時の損傷を限定的に制御する制震システムである。TASMOは制震装置として、壁柱をつなぐ鋼材ダンパー(LOYAL梁)とオイルダンパーを組み合わせ、地震エネルギーを集中的に吸収させ、高い耐震性能を保有させている。大地震を数回経験した後も限定した部分のみを交換することで永久的に持続できる架構システムとしている。さらに、外断熱のスケルトン内装にマッチした「北国空調」を備えた。躯体蓄熱輻射冷暖房システムをメインにフリークーリング、自然換気や外気冷房など北海道の自然エネルギーを最大限に利用するシステムである。吹き抜け最上部には太陽光自動追尾型採光装置「T-Soleil(ティーソレイユ)」を新規開発導入。一年を通して自然光が吹抜けの底部にまで届く。

省エネルギーを目的とした様々な取組みについてはその指標としてCASBEE Sランク、PAL値-32.7%、ERR値-40%、LCCO2-34.1%の大幅な削減を達成した。

大成建設株式会社一級建築士事務所

一覧に戻る
▲ ページトップ
トップ | PCとは | 施工例紹介 | 技術特集 | アーカイブ | サイトマップ | リンク集 | お問い 合わせ