住友不動産三田ツインビル東館

住友不動産三田ツインビル東館の正面
●所在地
東京都港区芝浦4-11-1
●竣工時期
2006年8月
●規模
延床面積/35,047.16m²
地下1階/地上17階/塔屋2階
高さ/85.50m
●PC仕上げ・仕様
50×200磁器質タイル張り、
一部フッ素樹脂塗装
●設計
株式会社 日建設計

建物の名称が示すようにこのビルはツインビルのひとつである。本計画の敷地は札の辻橋と山手線からも非常によく見える場所にあり、これとほぼ同時期に同じクライアントによる開発が札の辻をはさんだ三田地区においても進行したため、この2つの計画は都市的なスケ-ルで対をなす新たなランドマ-クとされ、周辺環境への配慮と外装の色及び建物形態に重点を置いて設計にのぞんだ。

周辺環境に配慮して建物を敷地の北側に配置し、日当たりの良い南側に帯状の公開空地を確保しておおらかな広場空間とし、北側のエントランス部分を天井高8mの大きなピロティとした。これらを地域に開放することでより快適な歩行空間をつくることを目指した。

また三田地区との人の流れを考慮し、敷地南側の広場空間から札の辻の高架へは自由に通り抜けができるよう、橋の途中に階段とバリアフリー対応のエレベーターを接続して地域に対する回遊性を高めるようにした。

これら公開空地を東京都の一般型総合設計制度を活用することによって、基準階約500坪(23m×75m)の整形な無柱空間の貸オフィスとその上部高層階に、12m×50mの吹き抜けを持つ173室のホテル(クライアント直営のビジネスホテル)を配する複合施設とした。

建物形態としては、深みのある赤いタイルと熱線反射ガラスによる縦横の縞を強調した共通のデザインキ-ワ-ドをつくり、一目で2つのプロジェクトを結び付けられるようにした。

具体的には70mにおよぶ桁行方向の外装面は横に、妻面においては縦にそれぞれの面の方向性を強調する意匠とした。ガラス面はタイル面に対して大きく面を落として陰影をつくり、PC版に打ち込まれた黒いアルミスパンドレル型材との相乗効果によってタイル面をシャ-プに引き立たせ、オフィスとホテルの複合機能であっても建物全体がすっきりと見えるシンプルな構成とした。これら2つの建物を都市的なスケ-ルにおいて建築形態に共通性をもたせ結び付けることで、限りなく多様化してゆく都市にさりげない調和を与える試みとして景観を向上させるひとつのきっかけとなることを期待している。

株式会社 日建設計
富樫 亮、浅野 卓郎

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