小阪病院

- ●所在地
- 大阪府東大阪市永和
- ●竣工時期
- 病棟竣工時期/2003年2月
全体竣工時期/2004年8月 - ●規模
- 延べ面積/28,452.39m²
地下1階/地上13階/塔屋1階
高さ/59.65m - ●PC仕上げ・仕様
- 磁器質タイル打ち込みPC版
- ●設計
- 株式会社 昭和設計
精神の病を患った人々が、家庭的で快適な環境のもとで、安心して医療・福祉を受けられるようにする地域に開かれた、患者本位の施設造りをめざし、病院と救護施設の全面的建替えを行った。
新病棟の建設に当たり、アメニティの向上を図るとともに、1)ユニットケアの導入、2)病棟の機能分化、3)院内の街づくり、を基本的な考え方として設計を行っている。ユニットケアの導入は、病棟を3つのユニットに分け、それぞれに生活機能を持たせ、家庭的な雰囲気のもとでケアを行うことを目指す。病棟の機能分化は、効率的な医療を実践するために精神科急性期治療病棟・精神科療養病棟・老人性痴呆疾患治療病棟などの機能別の病棟編成を行った。
院内の街づくりは、同一敷地内にある救護施設・看護学校を機能的、空間的に結びつけるホスピタルモールを設置し、そこにカフェテリア・コンビニ・喫茶店・理美容院などを配置して街並みを創り出し利便性の向上を図るとともに、楽しさ、賑わいの演出を行いながら、地域との連続性と開放性を目指した。
建物は限られた敷地・機能条件等により、高層化をよぎなくされ、シンボル性を発揮することになった。しかしながら権威的な表現や威圧感のあるデザインを避け、バルコニー・連続庇による水平ラインの構成による、親しみやすい外観とした。あくまで、冷たさを感じさせる非人間的な拒絶感を排除し、自然界に存在する素材・色の使い方を基本として、高層部(PC版:タイル打ち込み)はホワイトとベージュの色彩を用いて清潔感と暖かさを表現し、低層部はレンガ調タイル・木・左官仕上げによる珪藻土塗り等を使用して、人が親しみやすさを感じ取れる外観構成を行った。
株式会社 昭和設計
井ノ口 誠、池田 洋之