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東京大学医学部附属病院新入院棟

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次世代の高度先端医療を担う
ヒューマンホスピタル
歴史的ファサードの継承
入院棟のファサードは西側御殿下グランドと上野不忍の池側の二つの顔を持つ。西側は2本の塔が象徴的である。塔の上部には医学の神様、学問の神様、医学部鉄門会の象徴、そして東京大学を象徴する銀杏の4種類のプレキャストコンクリートで作られたシンボルが埋め込まれている。日の光を受けそのシルエットが浮かび上がる。東側、不忍の池側は<窓側のトイレシャワーユニット>の円形の窓がリズミカルに並んでいる。一般的な病院の外観らしくないそのファサードは<先進の機能を備えた病室>の表れでもある。普通は廊下側に配置されるトイレシャワーユニットを窓側に配置したものである。病室は個室、2床室、4床室による構成で1看護単位44床、1フロアー2看護単位、将来は個室を中心とした病室編成が可能である。窓側にトイレシャワーユニットを配し、廊下側を大きく開けることにより看護の目が行き届き、ベッド搬送を容易とし、看護しやすい病室を意図した。外壁タイルは2種類のスクラッチタイルを3階を境に張り分けている。S造で制震構造に適合する工法としてプレキャストコンクリート打ち込みを採用した。

病院においては<日常性><制約を最小限>とする配慮が必要だ。そういう意味で病院をひとつの<街><都市>として捉えても良い。レストラン、喫茶、花屋など街の賑わいがあり、読書をしたり、テラスでひなたぼっこをしたり‥‥。また、ベッドから起きあがることのできない患者にはくつろげる病室、窓から見える上野公園の景色。普段の生活を享受できる環境を都市環境の連続としてとらえたい。幸い東大キャンパスには都市には貴重な自然環境と昭和の建築遺産としてのカレッジゴシック様式の建築が残っている。病院ファサードにスクラッチタイルを採用しているのは<空間と時間への継続性>を意識していることに他ならない。集中治療部ICUの窓から見える旧岩崎邸のたたずまいにほっとするのは私だけではあるまい。

岡田新一設計事務所
岡田 新一

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