テトリアくまもと

- ●所在地
- 熊本県熊本市手取本町
- ●竣工時期
- 2002年3月31日
- ●規模
- 延床面積/48,129.54m²
地下3階/地上11階/塔屋1階
高さ/58.85m - ●PC仕上げ・仕様
- 3~7階柱・梁部分:花崗岩打込み
3~6階壁部分:特殊面状タイル打込み - ●設計・監理
- 久米・川崎設計共同企業体
熊本城を臨み中心市街地への東玄関口とも言える水道町の交差点に面して建設された本施設は、大規模店舗を主として、呉服店・タクシー営業所・歯科医院・歯科クリニック・駐車場・県公益施設及び独立棟の内科病院からなる複合施設です。
建物外観は、低層部、中層部、上層部のデザインにそれぞれ変化を持たせた3層構成とし街並みとの調和を計りました。施設前面に走る電車通り沿いの既存の街並みの高さにそろえた中・低層部はPC版、上層部についてはガラスのカーテンウォールを採用しています。ガラスのカーテンウォールは、空を映しこむことで施設のボリューム感を適度に軽減しながら景観の連続性を確保しています。また、低層部においては、花崗岩貼りの壁と開放的なアーチ状のガラス窓の組み合わせにより1・2階店舗の表情を歩道空間に引き出し、街路樹や植栽と一体となった街の賑わいを演出しています。
中層部は、大規模店舗に見られがちな無表情な壁面を避け街並みのスケール感との整合を図るために、明確な格子パターンを基調としています。柱、梁部分のPC版は低層部と同様の花崗岩を打ち込み、格子に囲まれた壁部分には穏やかなベージュ色の立体面状タイルを使用しました。シャープなラインを持つタイル面は時間によって変化する光の反射に合わせて表情を変え、この繊細なデザインは熊本市の街並みに調和しながら、巨大なボリュームを柔らかな個性として表現することに成功しています。
久米・川崎設計共同企業体
株式会社 久米設計
第三設計部主管 大庭 文一