石川県立音楽堂

石川県立音楽堂 石川県立音楽堂
●所在地
石川県金沢市
●竣工時期
2001年8月
●規模
延床面積/27,805.24m²
下2階/地上5階/塔屋2階
高さ/37m
●PC仕上げ・仕様
アクリルシリコン系クリアー仕上
キクスイSA工法)
300角せっ器質タイル打込
●設計
芦原建築設計研究所

当建物は1560席のクラシック専用ホール(コンサートホール)、720席の邦楽専用ホール(邦楽ホール)、そして賑わい創出を目的とした多目的ホール(交流ホール)で構成されている。藩政以来培われてきた伝統芸能と、オーケストラ・アンサンブル金沢に代表される質の高い洋楽文化を育んだ土地柄を背景に、石川県が邦楽と洋楽の交流及び、内外に向けて音楽文化を発信する拠点として計画した。 敷地は金沢駅東口前にある。駅東広場に面した北側にコンサートホール、南側に邦楽ホールをそれぞれの舞台を背中合わせに配置し、裏回りのスペースを共有することで併設による効率化を図った。

また、両ホールの主階を2階に置き、1階は南北に貫くインナーモールを軸に常時県民に解放し、案内、展示などによる情報発信スペースとして賑わいを持たせた。交流ホールは北側のエントランスに面して配置し、駅東広場と一体に県民の交流スペースとなるよう計画した。

建物の外観は、中央のコアを境に北側と南側で表情を変えて、それぞれのホールのイメージを伝えるデザインとした。

駅東広場に面するファサードは、大理石の大柱とPC版による幕板(高さ4m)からなる間口42m、高さ21mの門型と、その内側の台形状の広場を囲むガラスのカーテンウォールで構成され、県民を両手で迎え入れるようなデザインとなっている。

一方、敷地の東、西側はそれぞれ幅員12mの市道を介してホテル、公共立体駐車場、北陸新幹線高架に隣接しているため、遮音、プライバシーの観点から出来るだけ開口の少ない壁として表現した。137mにも及ぶ外壁を均一な壁面とするため、PCFによるコンクリート素地仕上を採用した。また、建物足下の300角せっ器質タイル貼(高さ4m)は、タイルを打ち込んだPCF版を使い、コンサートホール上部外壁の荒ビシャン仕上、中央コア外壁のリブ付壁についても、特殊化粧型枠によるPCF版を使ったことで精度の高い美しい壁面を実現できた。

PCF外壁の採用は、施工面からも現場作業の軽減、安全性の確保、産業廃棄物の低減などメリットの大きい結果となった。

芦原建築設計研究所
向田 良文

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